「協議後の不動産取得について」
質問内容
遺産分割協議がまとまり,私が単独で不動産を取得することになりました。どうすれば良いですか?
回答
登記上の名義が被相続人のままになっている場合は,取得者が単独で,「相続」を原因とする所有権移転登記を申請することができます。遺産分割協議の前に共同相続登記をしている場合は,「遺産分割」を原因とする持分移転登記を申請することになります。この場合は,すでに他の共同相続人の名前が登記上に現れていますので,全員で共同して登記申請をする必要があります。万一,他の相続人が申請に協力しない場合は,遺産を取得した相続人から他の相続人に対して,持分移転登記を求める訴訟を起こす必要があります。
遺産分割により,法定相続分と異なる割合で不動産を取得した場合,登記をしなければ,これを第三者に対して主張することはできません。例えば,遺産分割協議が成立して,不動産を単独で取得することとなった後,登記をせずに放置している間に,他の相続人が第三者に土地を売却してしまった場合,第三者が先に登記を備えると,自分がその土地を相続したことを第三者に主張することはできなくなってしまいます(無断売却した相続人に損害賠償を請求することはできます)。
従って,遺産分割協議により,法定相続分以上の割合で不動産を取得した場合には,すみやかに登記手続を行う必要があります。