「遺産の評価方法について」
質問内容
遺産はどのような方法により評価されますか?
回答
遺産の評価方法の一つに「鑑定」があります。鑑定はその遺産の評価について専門的な知識を持つ者が行うことから,種々の評価方法の中でも信頼度が高く基本的な評価方法です。また,評価方法について当事者の合意があれば,特に不当なものでない限り,鑑定以外の簡易な方法で評価することができます。例えば不動産の場合,固定資産評価額や,不動産業者による査定額によることができます。国土交通省が毎年発表する地価公示価格(標準価格),国税庁が決める相続税評価額を参考にしてもよいでしょう。なお,相続税評価額は公示価格の8割程度であり,固定資産税評価額は公示価格の7割程度です。現実には,費用のかかる鑑定よりも,当事者の合意に基づいて遺産の評価を行うことも多く行われています。
遺産の種類に応じて評価方法が異なりますので,以下に例を挙げます。
1 不動産:鑑定又は当事者の合意
2 株式 上場株式:取引相場において公表されている取引価格
非上場株式:税務上及び会社法上の評価方式,鑑定又は当事者の合意
3 現金・預貯金・債権等:額面
4 高価品(宝石等):鑑定又は当事者の合意