相続事例、解決報告

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相続対策

被相続人が外国籍である場合に、配偶者控除を活用したケース

 

事案の概要

Aさんより,夫であるBさんが亡くなったが特に遺言が作成されていなかったため,遺産分割協議書を作成したいとのご依頼がありました。

Bさんの相続人はAさん,Aさん夫婦の子であるCさん,Dさんの三名であり,Aさん,Cさん,Dさんの関係は良好であり,遺産の分け方について特に争うつもりは無いとのことでした。

ただし,①Bさんの遺産は総額が大きいものの預金や現金が乏しいので,現時点で支払う相続税を可能な限り抑えたいこと,②Bさんが韓国籍であることも相続に影響があるかもしれないことから,どのような遺産分割をすべきか相談したいとのことでした。

解決結果

Bさんの相続財産について,日本民法の法定相続分に従い,Aさんが2分の1,Cさん,Dさんが4分の1ずつを取得する旨の遺産分割協議を行い,遺産分割協議書を作成しました。

これにより,Aさんが相続税法上の配偶者控除を目一杯受けられ,Aさん,Cさん,Dさんの支払う相続税の総額を抑えることができました。

弁護士のコメント

韓国籍の方には韓国民法が適用され,日本とは異なる法定相続分による遺産分割が行われるのが原則です(法の適用に関する通則法36条)。そのため,韓国民法の法定相続分に従って遺産分割を行うことが原則ですが,法定相続人全員の同意があれば,韓国民法の法定相続分と異なる割合での遺産分割も可能です。

そして,相続税法上の配偶者控除は,配偶者の法定相続分または1億6000万円までは相続税がかからないという制度ですが,ここにいう配偶者の法定相続分とは,日本民法の法定相続分(2分の1)を指します(相続税法19条の2)。

つまり,外国籍の方で配偶者の法定相続分が2分の1より少ない場合であっても,遺産分割協議によって配偶者の相続分を2分の1にする旨の合意を行い,遺産分割協議書を作成のうえ相続税申告を行えば,最大限の配偶者控除を受けることが可能です。

当事務所では公認会計士・税理士事務所と連携しており,遺産分割に際し相続税対策が必要な場合でも対応が可能です。

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